9回目の黄色いハンカチ

晩飯を食べてゴロゴロしていたら、テレビで昔の映画「幸せの黄色いハンカチ」をやっていた。笑ったりホロリとさせられたりしながらついつい最後まで見てしまった。

ラストシーン、主人公の高倉健が高台の炭住に翻る黄色いハンカチを見つけ、登っていく。倍賞千恵子演ずる妻が、ハンカチの下にいる。会えなかった6年間、すれ違っていた思いがふたり見つめ合って一気に解ける。

3月11日、待っていても帰らない人、帰ろうとしても待つ人がいない人。この9年間に、映画のラストシーンをつい重ねた。

大徳寺の坊さんの法話だったか、こんな話を覚えている。
般若心経の「色即是空、空即是色」について、色というのはカタチあるもの、空というのはカタチないものと考えなさい。
「カタチあるものはすなわちカタチがない」
「カタチのないものはすなわちカタチがある」
仏様になってこの世の姿がなくなってもその魂は依然としてあなたのそばに存在するのです。

当時大好きだった叔父を亡くしたばかりだったので、この話がストンとふに落ちた。

3月11日、あっという間の9年。
映画を見ながら、そんなことを思い出した。

危険なブラック・マジック・ウーマン

いつぞや某会の仲間に見せ付けられて以来、いつもアマゾンで眺めている。
思わずポチリそうになるのですごく危険。
バッテリーはあまり持たないそうだが、これで映画を撮ってみたい。
ドキュメンタリー映画だ。
とりあえず、わが連れ合いの生態を記録…と、また妄想が始まってしまうのであった。
ああ、あの人、君にならあげてもいいって言ってくれないかしらん。

#シネマ

ブリキ男は忽然と現れる

ブリキ男そいつは春の柔らかな日差しの中に忽然と現れた。

道行くものたちを一顧だにせず、虚空を睨みつけている。

そいつはこけおどしの銀色鎧に身を包み、ひたすら立つ。

もしかすると、そいつは俺の訪れを待って現れたのか。

ブリキの面のその奥で眼の玉が鈍く光るのを、俺は確かに見た。

 

The Get DownでHip Hopを学習してみた

Netflix 敬遠していたんだけど、これだけのために加入した。
1970年代、ニューヨーク、荒廃するブロンクス、ディスコブーム、不景気、大停電、ドラッグ、そしてヒップホップの黎明期、DJ、スクラッチ、MC、ライム、ラップ、B-Boy、グラフティ、ゲイカルチャー、…面白かった。次のシーズンが待ち遠しい。

昭和24年制作

ボクのデスクの前に座るMさんが椅子をくるりと回して、「映画行きませんか」と言う。妙齢のご婦人から誘われるドキッではない。Mさんはボクとほぼ同い年の男性ですから。正直言ってあまりうれしくない。

「あの~、チケットが余ってるんですよ」
「映画の?」
「そうです」
「なんの映画?」
「これです」

といって取り出したのがプログラム。
マーカーで2か所に印が付いている。

「えっ、これって白黒の?」
「そうです」
「昔のでしょ」
「そうです」

どうみても男二人で見るにはどちらも似つかわしい映画では無い。
アクション映画とかだったらね。

「ごめん、白黒じゃあね」
「白黒いいですよ。
 どっちにしますか」
「遠慮しときますよ」

Mさん、残念そうに、ほんとに残念そうに。

「いい映画なんだけどなあ。
 いやね、この2本どちらもチケットがあるんですよ。
 で、どちらも今日まで」

ということは、二人で行くわけじゃないんだ。

「もったいないなあ」

その残念そうな顔を見ているうち、

「じゃあせっかくだから」
「え、そうですか。
 白黒もいいですよ~。
 どっちにします」
「じゃあ・・・こっち」
「じゃ、私はこっちにします。
 映画のあと飲みに行こうと思ったんだけど、
 終わる時間が別々ですね。
 第一、遅くなっちゃう」
「それは、その内にしときましょう」

てなことで、昨夜は映画観賞。
さすが名画だけあって良かった。
胸がほんのり暖かくなりました。
もう一度見てもいいくらいです。
Mさん、ありがとうございました。