先日の事、葬儀出席のため会社を抜け出しました。
自宅で着替えを済ませ降りしきる雪の中、隣の町まで車を走らせました。
某会での知人のお父上の告別式で、多くの参列者がお出でです。
故人学生時代の部活動後輩の方が弔辞に立たれましたが、なんと私の出身校の前身です。
まさしく大先輩。
生前故人と旅行した折に母校「青春歌」を肩を組み合い歌った思い出を訥々と述べられました。
「青春歌」は大先輩からずうっと続く母校の絆のようなものです。
春の光のうららかに
溶けて流るる阿武隈の
岸の桜の下蔭に
吹く草笛の音ものどか
いつ歌っても聞いてもいい曲です。
特に甲子園のスタンドで歌ったときは泣けました。
さて、葬儀出席を終えてすっかり圧雪となった道路を帰宅しました。
自宅の前に車を止め早く着替えを済まそうと玄関の戸に手をかけたのですが、なんと鍵がかかっています。
どうやら女房殿はお出かけのご様子。
さて困りました。
あいにく鍵を持っていません。
お袋様は在宅のようなのでチャイムを鳴らしましたが、あんまり慌てさせてけがをさせるかもしれません。
第一、お袋様が一人で留守居をするような時は、チャイムが鳴っても電話が鳴っても出なくていいからねと言ってあります。
庭の方へ回って硝子戸を開けようとしましたがここも施錠されています。
内側の障子戸が開いていて室内を覗くと、先ほどのチャイムでお袋様は案の定ウロウロしています。
ガラスをコツコツ叩くと気づいてくれたので、あのねぇ、ここの鍵開けてちょうだいと申したのですが、どうにも開けられない様子。
しょうがないので、別の硝子戸が開いているかとそちらへ回ればこちらもロックしてあります。
困りました。
雪はさらに降りつのります。
お袋様も一所懸命努力の割には鍵が開きません。
ったく。女房の奴どこへ出かけたのやら。
しようがないので硝子戸越しのお袋様に、玄関回ってと身振り手振り。
玄関の前で待つ事しばし、カチャリという音とともにようやく開きました。
仏様、神様、お袋様、ありがとうございました。
先ほど開かなかった硝子戸をあらためて見ると、開錠防止のロックがかかっており、お袋様はそれがよくわからないようでした。
あのねぇ、こうしてやるんだよと指導はいたしましたが、鍵を持って出るのが一番かもしれません。
良い教訓でした。
ほどなく帰ってきた女房殿。
もちろん言いましたとも、「おかえりなさい」と。何事もなかったように。