親父

何年も何度も着古したパジャマ。厚手なので、この時期になると引っ張り出して着る。右手の袖口に白と灰色と黒の絵の具が引っ付いていて、何度も何度も洗っても取れない。
亡くなった父親が着ていたパジャマで、自分には少し大きいのが、かえって楽でいい。
まだ働き盛りの時に、仕事での事故が原因で胸から下が不自由になった父は、動かぬ指の間に絵筆を挟み、かろうじて動く肘と肩を具合よく動かして、ベッドの上で器用に絵を描いた。
このパジャマ、その時のパジャマ。
さあ、夢の中で親父に会ってくるか。
お前も今日で67かと、笑いながら祝ってくれるだろうか。

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