プライド

認知症でも心はものすごくナイーブなんだ。
この数日、そんなことに気が付いた。

1週間前のデイケアから戻って以来、お袋さまの様子がなんか違うのだ。
ひとりで食事ができなくなったし、女房殿が口元に運ぶスプーンも受け付けなくなった。
食べられなくなったのではないような気がする。
食べることを拒否しているような、そんな気がする。

口元を真一文字に閉じ、目をつぶり、頭を垂れている姿は、かかわってくれるなとすべてを拒否しているように見える。

呼びかけにも応答しない。
聞こえているのに応えない。

ベッドの中では両腕を胸の前に組んで小さくなっている。

極端に具合が悪いわけでもない。
なんかものすごく嫌なことがあったんだと思う。

通所先であったとは思いたくないが、われわれのちょっとした言葉や声のトーン、笑い声や怒った声、なにげない動作が、もしかしたら彼女の心を傷つけたのかもしれない。
今まで一緒に暮らしてきて、そんな場面があって、気づかずにあるいは気づいても、笑って過ごしてきたんだ。

認知症って心はものすごくナイーブなんだ。
認知症だってプライドはちゃんと持っているんだ。
そんなことに気が付いた。

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